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記憶

知らぬ仏なら、ゾンビちゃんは無害

相続の場面ではしばしば、
「姉が自分のことをそんなふうに嫌ってたなんて、何十年も知らなかった」
という言葉を耳にします。

どのくらいの頻度かといえば、もしも私のお客さまがこの記事を読んだとして、「あらヤダ、私のことじゃないかしら。弟を姉に置き換えてはあるけれど」なんて思うであろうかたが、ぱっと思い浮かぶだけで両の手に余るくらい、頻繁なことです。

それでもこれまで20年も30年も、何も知らずに穏便にやれてきたわけです。

だとしたら、知ってしまったあともいっそ、「姉が私の陰口を言うのは、何かにとりつかれて魔がさしてのこと」、とでも思い込んで、知らずに仏心あふれていた頃のままで、つきあいつづけてゆけたらいいのでしょうが……

私たちは記憶というものを持っているせいか、どうも“時は過去から未来へ一方的に流れるもの”という固定観念が強いために、仲がよかったはずの過去は“もう過ぎたもの”として捨てられてしまうことが多いですね。

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