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最近のコが戦時中のことに耳を貸さなくっても、目くじら立てないで

WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会青年部会の催しで、東京大空襲の語り部・江角恵子さんから、貴重な3月10日当日のお話をうかがってきました。

そのあとテーブルごと8~9人でディスカッションをしました。
私のいたテーブルには広島出身の男性がいました。

最近の修学旅行生は、終戦の日も原爆の落ちた日もよくわかっていなかったりします。それを広島の人間は嘆いていました。

ところが私自身、東京に来て何年も経っていて、墨田区近辺に住んでいたこともあるのに、東京大空襲が何日だったか?と聞かれたら、今日の今日までよくわかってませんでした。毎年、新聞を開いて「あぁ、この頃B29が来たんだ」と記憶してはいたのに。ほんと申し訳ない気持ちです。

この話を聞いて、ふと思いました。
そうか。私は、当時台東区に住んでいて火の海を見た父から話を聞いているから3月10日を記憶しているけれど、身近な人から話を聞いているんじゃなければ、紙(新聞)に書かれた情報を繰り返し見ていても、記憶に定着するものじゃないのか。

それから、自分は広島に原爆が落ちた日が8月6日だってことと、東京大空襲が3月9日の未明から10日にかけてだってことを両方知ってはいたけれど、その人がいままで東京大空襲の日をおぼえていなかったと聞いても、そんなことは大して重要じゃないように感じました。

きっとこの人は今後誰かに、ここで語り部さんから聞いたリアルな東京大空襲の話を語っていくんだろうな、という実感。そのことが重要なんであって。

知らなかったことは恥ずかしいことじゃないし、知っていたとしても何も行動しないなら、知らないのと同じこと。

ってことは、最近のコが終戦記念日も原爆投下の日もおぼえていなくたって、憶えてないこと自体が問題ではないんじゃないでしょうか。

この催しは、「戦後70年」をふりかえるきっかけで企画されたんだろうけれども、今日いまこの時も、シリアとか北アフリカとかでは戦火がのぼっているかもしれないわけです。

その地の人にもし、「70年前の3月、アメリカ軍がやってきて一夜にして10万人の民間人が焼かれたんですよ!」って話したとしても、「そうですか大変でしたね。だけどウチは今夜燃えるかもしれません……」となるだろう。そこで、「30人40人単位のテロじゃないんですよ、10万人が半日で焼かれたんですよっ!」と、詰め寄る人などいないでしょう。

いまシリアにいる人に、東京大空襲の話をして腑に落ちてくれなくても、納得しない人はいないでしょう。なぜなら彼らは、大空襲に居合わせた人と同じ不安をすでに実感しているからです。

大事なのは数の大きさでもないし、大変さを腑に落として痛感するかどうかということでもありません。「今日焼かれるかもしれないおそれが、とりあえず今はない暮らし」の意義とありがたさをとくと考えられるかどうか、というところに尽きます。

で。最近のコに、「戦時中だったら…」とか「アフリカでは飢え死にしていく子が毎日いて…」と言っても、なぜ響かないのか、少しわかった気がするんです。

彼らはもしかしたら、ある意味、いまシリアに住んでる人と同じくらい「それどころじゃないくらい日々、大変」なんじゃないかと。

私たちが小学生だった半世紀近く前。日本経済はつねに右肩上がりで、オイルショックもあったけれど、とりあえずは便利でスゴイものが次々と開発されて、21世紀にはあんな乗り物だのこんな技術だのができるに違いない!なんて夢もいろいろと描けてました。新しい仕事がどんどん増えるだろうし、正直に生きていさえしたら、食いっぱぐれることはないだろうと思えていました。

いまのコたちは、そんな能天気な私たちの頃と比べたら、ずっと大変なところにいるのかもしれません。正直にやっていたのに失脚したり、倒産したりした人の話を、身近でたくさん耳にします。20年前にはあったけれど廃れてしまった仕事がいっぱいあって。かといってIT産業だって20年後にははたしてどうなっているのか、どこの会社に入ったら定年まで安泰なのか、先がまったく見えません。

熾烈な競争のなかで何かにしがみついて、落ちこぼれないことを考えていくしかないという、ものすごい大変なところにいるのかもしれないんです。

というわけで、ウチの子が新聞で終戦記念日の話を読んでもあまりピンときていなくても、目くじら立てないことにしました。

●催しの最後に、関東大震災の被災者5万人と、東京大空襲の犠牲者10万5千人が眠る「東京都慰霊堂」を訪れました。この施設の存在を私も知りませんでした。両国駅から徒歩10分ほどです。

 

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